安直マン日記

割とちょろい腐女子

機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ 第38話感想

 

2016年最後のオルフェンズ。

クリスマスに観るにはあまりに皮肉な、残酷でやるせない現実が付きつけられた38話でした。

 

 

目次(例に漏れず断片的で、時系列順ではないです)

鉄華団とオルガ

②三日月を取り巻くもの

ギャラルホルンとマクギリス

 

 

鉄華団とオルガ

三日月の奮闘によりMA討伐に成功した鉄華団

「火星の王」と呼ばれるには犠牲の大きすぎる道に進むことに決めたオルガに対して、マクマードはあくまでその割の悪さを踏まえた上で、一歩引いた姿勢を取る様子でしたね。

 

名瀬さんがマクギリスに火星の王の話を持ち掛けられて以降のオルガに、私がずっと抱いていた疑問をぶつけていました。

お前がどうにも生き急ぎ過ぎているように見えてな

今のお前はこう叫んでるように見えるんだ。『目指す場所なんてどこでも関係ねぇ。とにかくとっとと上がって楽になりてぇ』ってな……

 

「火星の王」がでっかいアガリなのは事実ですが、その肩書きを背負い続けることがメリットだけだとは到底思えませんし、それはマクギリスに話を持ちかけられた時点で想像できたこと。

きっとオルガも、熾烈な戦いの末に得る「アガリ」が、今はまだ実体のないモヤのような存在で、実際に「火星の王」の肩書きを得た後、それを自分たちがどう使っていくか具体的な見通しが立っていないことはちゃんと分かってるんだと思います。

 

だからこそ、「オルガは考えるのをやめてるのかな」なんて思っていたんですよね……リーダーとして全体を見る前に、目の前の戦いをどう切り抜けるか、今の苦しい状況をいかに最速で抜け出すか、という点に目が行きやすいのかな、なんて。

でもこれって当たり前ですよね。

教育を受けられず実戦経験のみでのし上がってきた子どもに完璧な采配なんて求められないですよ……アニメだからついつい完璧を求めるだけで……大人達の権力抗争に巻き込まれ、目の前には命の危機が絶え間なく訪れて、すぐそばには自分の退路をガツガツ断っていく三日月がいて……無理だよこれ

 

とはいえ進む先が天国か地獄か分からないまま猛進する今の状況はオルガの精神の為にも鉄華団全体の為にもよくありませんし、視聴者サイドの胃に穴が開きそう……

 

 

 

三日月を取り巻くもの

オルガの反対を押し切り、バルバトスに乗り戦闘に繰り出した三日月。

作品内でも断トツの機動性の高さと、MAの機体を毟るような戦い方は、周囲のギャラルホルン勢を唖然とさせるものでした。この破壊的な様相に、期待と喜びを感じるマクギリスと、ただ圧倒されるジュリエッタ、どこか嫌悪感を抱く石動……

 

結果として、バルバトスを降りた三日月の身体は、右半身の手足に麻痺が残る状態となってしまいました。

変わらないことが怖い」「次にどこかへ行ったら、もう戻ってこないんじゃないか」という、アトラとクーデリアの恐怖は当然ですよね……

悲劇的な現状を、まるでなんでもないもののように気にしない素振りを見せる三日月はきっとまた戦場に出てしまう。三日月にはもうどこにも行ってほしくない。自分たちに何も残さずある日突然三日月の存在そのものが全てなくなってしまうのが怖い。

だからこそ、「三日月と子どもをつくってください」というアトラの叫びはおかしなものではないと思いました。タービンズの女性と違って戦いに出ない彼女達には、三日月と走った戦場の記憶も無く、何も手元に残らないのですから。

 

三日月本人は自分の身体について「悪いことばっかりじゃない」と語りましたが、その先に続く言葉にはぞっとしました。

分かりやすくなったから

クーデリアが言ってたんだ。俺達が戦わないで済む世界を作るって。考えてもよく分かんなくて、でも……もう考えなくていい
俺はもうバルバトス無しじゃ走れない。だったらやっぱり俺は戦わなくちゃ生きていけない

戦うこと以外で命をつなぐ方法を選べない三日月。

クーデリアは三日月達の姿を見て自身の戦いへの決意を硬くしたんでしょうに、あまりにも皮肉な……

多分三日月自身はクーデリアの理想とする世界がどんなものか、なんとなくながら想像出来ていると思うんです。

でも先週語ったように、三日月は自身の命の価値を「オルガに貰った命」と限定しているので、自分の命を「生かすもの」ではなく「消費するもの」としか捉えられないのだと思います。

私の命を輝かす為だ!」なんて言って更に泥沼に突き進もうとするイオクとは正反対な……

あの戦い様には、些か抵抗を覚えました。理性なくひたすら破滅へと突き進む、己が身までも食い潰すかのような……」そう表現する石動の感性はかなり一般人寄りだな……と思いました。

 

オルガが三日月に謝罪し、バルバトスを降りるように告げれば、それは過去と未来の三日月を全否定することに繋がるから、「謝ったら、許さない」。

それは同時にオルガが立ち止まることも許さず、火星の王への退路を断つ言葉でもあります。

自身のアイデンティティをオルガに依存した三日月のこの発言は、鉄華団から戦い以外の選択肢を切り捨てることに繋がっているのです。

そしてオルガの向かう先は、実体の掴めない「火星の王」。

 

正直今のままでは確実に破滅ルートだと思うんですよね……25話で悲惨な死を遂げたアインと今の三日月が、身も心も近づいていってるのがもうなんとも……

自分のアイデンティティを他人に依存し、その上未来の自分について考えることを止めてしまえば、自分の体はただの道具としていくらでも暴走してしまえるんですから……「○○の為にならば何だってできる」はとても恐ろしい言葉だと思います。

クーデリアが思っている以上に、三日月の心は遠いところに行ってしまっていると感じました。

 

 

ギャラルホルンとマクギリス

火星でのMA討伐が終了し、セブンスターズの会議が開催されましたが、当然火星でのイオクの行動は決定的な失態としてマクギリスの口から報告されることになりました。

イオクは七星勲章を狙った陰謀だと声を荒げますが、あまりの分の悪さに、ラスタルも彼の肩を持つことはしませんでした。

ギャラルホルンのあるべき姿を忘れ目的を見誤る。そのような家門と手を組むことは、セブンスターズの一角を預かる者として一考せねばなるまいな

ラスタルの言う「ギャラルホルンのあるべき姿」ってなんですか?と疑問はありますが、今のイオクには良いお灸になりそうな言葉です。

まぁそれでもイオクは懲りずにジャスレイと連絡取るんですが……もうお止めくださいイオク様……

そしてジュリエッタは更なる強さを求めて、ラスタルを押し切り、新型MSのテストパイロットに志願。新キャラクターのトーカ曰く「かなりピーキーな機体」とのこと。ここで経験を積み、ラスタルの為の研ぎ澄まされた剣になると……

 

一方、石動に二年前のエドモントンの戦い以後のガエリオ・ボードウィンについて報告させるマクギリス。

エドモントンでの戦闘に単独で参加後、鉄華団以外の何者かの襲撃を受け、ガンダムキマリスは大破。地上部隊に回収されるも、ボードウィン特務三佐は死亡。……亡骸は荼毘に付され、セブンスターズの墓地に埋葬されました

なぜ今更それを報告させてるんだマクギリス……

何者かの襲撃、って時点でギャラルホルン側から何らかの調査がされてるだろうに、キマリスにはグリムゲルデとの交戦記録は残ってなかったんですかね……

普通にその改修機であるヘルムヴィーゲ・リンカーを石動に使わせている辺り、そこはクリアしているのでしょうか……

それにしても、特務三佐時代の2人の間柄なら、葬式には出ないと不自然でしょう……(地球には葬式の文化残ってると思うのですが)

そこで荼毘に付されるところも見送ってる筈じゃないのかマクギリス……

 

まさか二年間もガエリオから目を背けていたのかマクギリス……

 

それで「お前は私の生涯ただ一人の友人だったよ」とか言うのかマクギリス……

 

もうヴィダールもマクギリスも何考えてんのか全然わかんないな~~~!?

お互いのこと何だと思ってんですか……?もうここについては本編で見せてもらわないと分からない……憶測で物を言っても全部スカりそうな気がします

 

ただ、

あの男が生きていたとして、ラスタルがそれを飼っていたとして……それが純粋で正当なカードとして強さを保有するのは、腐った理想が蔓延する曖昧な世界でだけ

バルバトスが……三日月・オーガスが再認識させてくれたよ。真の革命とは腐臭を一掃する鮮烈な風だ。本物の強さだけが世の理を正しい方向へと導く

この発言を見るに、もうマクギリスは完全に三日月の持つ力に魅了され、ガエリオの存在を意図的に思考から切り捨てているように見えました

三日月の破滅的で甚大なパワーに、アグニカ・カイエルの再来を見出して、利用ではなく崇拝するかのような……三日月がいれば無敵だとでも言うような……三日月はマクギリスのものではありませんが……

これまで理想の実現の為に、慎重に道を確かめながら歩いていたマクギリスが、一気に吹っ切れたかのような……私はこういう方向に吹っ切れるマクギリスはあまり見たくありませんでしたね……

元々戻れる道を歩いていた訳ではありませんが、確実にもう後戻りできないところまで行ってしまいましたね……

 

 

坂道を転がり落ちるように事態が進展し、戻れない戦いに巻き込まれていく様が、いよいよ物語のラストスパートに差し掛かってきていることを感じさせますね……

今後再びMAの脅威に襲われるのか……鉄華団はどんな未来を選ぶのか……また三日月の身体が蝕まれるようなことが起きるのか……もう胃が痛いって毎週言ってる気がするけどやっぱ胃が痛い……

次回はいよいよアジーとラフタがタービンズに帰ってしまう(2年以上鉄華団の為に尽くしてくれたって思うと凄いな)みたいなので、昭弘とラフタの仲に何か進展がないかな、ってところもかなり気になってます。

1月8日のダイジェスト放送を挟んで、次回は1月15日!たのしみです

 

 

 

おわり